人のブログ

その都度思った事を書いてます

仮面の少年

あるひとりぼっちの少年がいました

彼には家族とのつながりもなく

ただただ1人で生きていました

愛された事もないから愛の意味も知らず

ただ人に愛を求めていました


ある時、自分を変える仮面を見つけました

少年はその仮面を身につけ街にでました

すると今まで寄ってこなった人達が少年に寄ってきました

少年は仮面を気に入りました


毎日毎日仮面を被り街へと出ました

人が寄っては人を受け入れました

やがて人を判断するようにもなりました


人を傷つけました

自分を助けてくれた人さえ

それは紛れもなく大切な人だった

そこまで少年を考えてくれる人はいなかった

だけど仮面をしてしまった少年は気付かなかった


いつも仮面を被り自分を隠して生きてきた

過去を捨て まるで復讐のように

仮面が自分を強くして

仮面が自分を守った

仮面が自分を狂わせ

自分の自我を忘れさせた


仮面のおかげでいろんな人に愛され

仮面のおかげでいろんな人と接した


仮面のおかげで大切な人を傷つけた

いや、違う

傷つけたのは自分


仮面をした少年は寂しさを感じなかった

いつも彼のまわりには人が居た

仮面の少年は人を傷つけはじめて気付いた

自分がした事は間違っていたと

そしてこの仮面も要らないのだと


仮面

それは誰もがもつ壁

それを見せるか見せないか

それは人それぞれ

ただそれで人を傷つけたとき

残るのはただただ孤独と空しい気持ち


人に空しさを感じ 人の矛盾を感じていた少年は

まさにその通りの人になっていた


少年は人じゃなく自分に幻滅しました


取り戻せない過去がある


だけど築ける未来もある


そう それが人


生きている限り絶望はない

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